【ワイナリー紹介】ナゴミ・ヴィンヤーズ@長野県~葡萄の持つ個性を引き出すクリーンナチュール

こんにちは。マザーバインズ&グローサリーズ株式会社の丹羽(にわ)です。

弊社マザーバインズにて、過去にワイナリー設立時に醸造機器を搬入させていただきましたワイナリー様をご紹介させていただきます。今回取り上げるのは、長野県東御(とうみ)市の『ナゴミ・ヴィンヤーズ』です。

ナゴミ・ヴィンヤーズについて

『ナゴミ・ヴィンヤーズ』は、2018年に東御市の和(かのう)地区に誕生しました。池敬絃(としひろ)さんと妻の和美さんのご夫婦でワイナリーを営まれています。『ナゴミ・ヴィンヤーズ』のナゴミは和地区の『和(なごみ)』に由来しています。

ナゴミ・ヴィンヤーズのワイナリー外観

異業種からの転身、ご夫婦での移住

今回は、池敬絃さんにワイナリー設立に至るまでのお話を伺いました。池さんは東京都ご出身で、前職は通信インフラのシステムエンジニアとしてお仕事をされていました。もともとワインが好きだったこと、そして葡萄栽培にも関心があったことから、就農相談に行ったことが移住のきっかけとなったそうです。40歳を手前に仕事を辞し、ワイン用葡萄の栽培とワイナリー設立のため、2010年2月にご夫婦で長野県東御市へ移住されました。

『ナゴミ・ヴィンヤーズ』のオーナー池 敬紘さん

不安の中でスタートした、未経験からの葡萄栽培

東御市はもともと巨峰の栽培が盛んな地域だったこともあり、新規就農制度で里親として迎えてくれた方も、巨峰の栽培農家さんでした。池さん曰く、農業自体が初経験だったこともあり、自然と向き合う毎日は大変苦労が多かったと言います。加えて、当時は東御市でワイン用葡萄を栽培する農家さんはまだ少なく、「東京から来た未経験者がワイン用葡萄を栽培する」ということも、周囲の理解を得るのに時間がかかったそうです。

葡萄の果実に雨が当たらないよう、レインカット用のビニールを設置する様子

就業3年目にして、ワイン用葡萄苗木の植栽をスタート

就業から3年目にして農地を借り受けることができ、ワイン用葡萄苗木の植栽をスタート。初年度には白葡萄品種のソーヴィニヨン・ブランを植え、その後はご夫婦で畑の栽培管理をしながら少しづつ規模を拡大(2023年時点で2.5ha)、現在では品種も充実してきました。

ご夫婦で管理されている葡萄畑

そして、池さんは栽培管理の傍らワイン醸造を学ぶために、同市にある“新規参入希望者に栽培と醸造に関する知識や技術・ワイナリー経営に資する情報などを学べる委託醸造専門のワイナリー『アルカンヴィーニュ』にて醸造の経験を積みます。

関連リンク:アルカンヴィーニュ JW-ARC 日本ワイン農業研究所

近年東御市に次々とワイナリーができています!

ここで、ワイナリーのある東御市について少し説明をさせていただきます。東御市は日本有数の少雨地域でもあり、年間を通しての日照時間が長く、昼夜の寒暖差も大きいなど、気象条件がブドウ栽培に適した地域として注目を集めています。

2004年に「ヴィラデストワイナリー」が設立を皮切り、2008年には東御市がワイン特区に認定されたことが追い風となり、2010年以降は長野を代表するようなワイナリーが次々とオープンしました。2015年には、先述の委託醸造専門のワイナリー「アルカンヴィーニュ」が設立されたことで、全国からワイナリー設立を目指す人々が集まる拠点へと成長を遂げ、2023年現在では下記の画像にあるように10以上のワイナリーが設立されています。

関連リンク:ヴィラデストガーデンファーム&ワイナリー

「東御市ワインマップ」より

2018年、念願のワイナリーを設立

そして2018年の8月にナゴミ・ヴィンヤーズを設立します。初年度は、研修先だったアルカンヴィーニュにて醸造指導を仰いだ醸造家の林忍さんのサポートもあり「初仕込みということに加え、野生酵母を選択したので不安ばかりでしたが、林さんのおかげで無事終えることができました」と池さん。

収穫カゴに入った葡萄を、圧搾機に入れる様子

葡萄の持つ個性を引き出すクリーンナチュール

近年、注目度が高まっている自然派ワイン。ナゴミ・ヴィンヤーズでは減農薬栽培、野生酵母での醸造を行っております。しかしながら、過剰に農薬や酵母に頼らない、亜硫酸添加を抑えたワインづくりは決して簡単ではありません。健全な葡萄を栽培・収穫すること、収穫後も病果を取り除くなど、通常の醸造よりも時間も手間もかかります。

葡萄の梗(こう)や病果を取り除くための「手除梗」を行う池さん

また、ポンプを使わずに自然の重力を利用して送液する、ワインのろ過や清澄を行わないのも「ワインに無駄な負荷をかけない」という池さんの想いからです。そうして出来上がったワインは「クリーンナチュール」という表現にふさわしく、葡萄の個性が表れています。

移動式タンクからホースを使い送液を行う様子

さいごに

「小さなワイナリーですので、生産量はあまり多くはありませんが、お近くのワインショップやレストランなどでうちのワインを見かけた際は、ぜひお手に取ってみてください。」と池さん。丁寧に作られたクリーンナチュールワイン、ぜひご賞味ください。

ソーヴィニヨン・ブラン主体でつくられるワイン「グラスホッパー 2022」

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