【ワイナリー紹介】GIO HILLS WINERY@長野県~120年の歴史ある名旅館「中棚荘」が手掛けるワイナリー

こんにちは。マザーバインズ&グローサリーズ株式会社の丹羽(にわ)です。

弊社マザーバインズで、過去に醸造機器の搬入据付させていただいたワイナリー様をご紹介させていただきます。今回取り上げるのは、長野県小諸市の『GIO HILLS WINERY(ジオヒルズワイナリー)』です。

2階のカフェテラスが見える『GIO HILLS WINERY(ジオヒルズワイナリー)』の建屋外観

GIO HILLS WINERYについて

『GIO HILLS WINERY』は、標高約800mで昼夜の寒暖の差が大きく、その温度差によりさまざまな果実が実る、小諸市の千曲川を臨む台地『御牧ヶ原(おまきがはら)』に位置しています。

ベトナム語で「風」を意味する「Gió」 と、英語のHill(丘)をかけ合わせた「Gió Hill(風の吹く丘)」がワイナリー名前の由来であり、360°多くの緑に囲まれ、浅間山をはじめとする信州の山々を望むことができる開放感に溢れた丘の上にあります。実際にワイナリー2階にあるカフェのテラスに出ると、心地の良い風を全身に感じることができます。

丘の上にあり360°自然に囲まれた『GIO HILLS WINERY』

ワイナリーを手掛けたのは歴史ある名旅館『中棚荘』

『GIO HILLS WINERY』は、同市にある旅館『中棚荘』のオーナー、富岡正樹様とご子息の隼人様が中心となって2018年に設立されました。中棚荘は、島崎藤村ゆかりの宿としても知られた、明治31年創業の老舗旅館であり、登録有形文化財にも登録されている食事処、はりこし亭、平成館、大正館の3つの建物を有しています。季節を問わず国内外から多くのお客様が訪れる人気旅館としても大変有名です。

中棚荘の玄関口

関連リンク:中棚荘

2002年から葡萄栽培を開始し堆肥を使用した有機農法を採用

ワイナリーから車で2~3分のところにある葡萄畑は、2002年から旅館を経営する傍ら、父である正樹様により植栽をスタートしました。冬に作った堆肥を使用した有機農法を採用しており、土壌は粘土質ですが、斜面にあるため水はけもよく、南東向きの畑は朝日をたっぷりと浴び、良い葡萄が育ちます。

ワイナリーの前にある葡萄木を含め、ピノ・ノワールが1200本、メルローが1000本、シャルドネが888本、ソーヴィニヨンブランが500本、シラーが120本。2019年にはゲヴェルツ・トラミネール、2021年にはピノ・ムニエを新たに植栽し、スパークリングワインの製造も始まりました。

葡萄木の畝間(うねま)、株間(かぶま)ともに約1mで、仕立ては長野県では珍しい、コルドン方式(主幹から枝を左右に分け、その枝に2芽の短梢を等間隔に整える方法)を採用。両端に腕の伸びた太い枝を持ち、その枝から伸びた枝には2房づつに。また、葉もこまめに手入れされ、摘葉は20枚程度に管理されています。

葡萄畑にて手入れを行う正樹様

土地や葡萄の個性を表現できるような栽培とワイン造りを目指して

ご子息の富岡隼人様

目指すワインスタイルは、土地や葡萄の個性を表現できるような栽培とワイン造りです。

そう語る隼人様は、同県にあるアルカンヴーニュでワイン醸造を学んだ第1期生でもあります。

先人たちのさまざまな試行錯誤があってこそ、現在の日本ワインがあることを決して忘れてはいけません。長野を代表するメルローだけでなく、土壌に合う葡萄品種を探し、2010年にはピノ・ノワールを植栽しました。ピノの栽培には特に苦労しましたね。

2015年からはシャルドネ、2016年からはピノ・ノワールの出来も安定し、年々出来上がったワインの品質も良くなっていますよ。

隼人様は、ワイン醸造と葡萄畑の栽培管理に加え、なんと2階のカフェ運営まで手掛けていらっしゃるそうです。

土日祝日限定でカフェをオープンしています。ベトナム料理メインのエスニック料理を出しておりまして、ベトナムのフォーやベトナムコーヒーなど現地から直接仕入れたものを使用しています。弊社のワインとのマリアージュをぜひ体験しにいらしてください!

関連リンク:アルカンヴィーニュ / GIO HILLS WINERY内カフェ

敷居を下げ親しみやすく地域にも愛されるワイナリーを目指して

『GIO HILLS WINERY』は地域との関わりにも積極的です。長野県では、ここ数年ワイナリーが続々とオープンするなど盛り上がりを見せていますが、その件数は2023年時点で72軒にも上ります。

弊社と同じく小諸市にもワイナリーが増えてきました。ただ、「ワイナリーやワインの敷居」はまだまだ高いと思っています。

イベントにてお客様とお話しする隼人様

ワイナリーを如何に身近に感じてもらえるかなど、試行錯誤の上辿り着いたのは、「これからを担う若い世代へのアプローチ」でした。近隣の小学校の生徒さんが参加する、葡萄畑での葡萄苗木の植栽体験イベントの開催や、近隣の商業高校とタッグを組み、生徒さんには、葡萄畑での作業やオリジナルラベルデザインづくりなど、製品化を体験してもらうなど、葡萄やワインに触れる「体験」を提供することで、ワインの高そうな敷居が下がり、結果として近隣住民の方々も、気軽にワイナリーへ訪問してくれるようになりました。

地元長野の匠『甘利享一氏』の設計による建屋はグリーンハウスをイメージ

建屋を設計したのは、日本建築家協会主催「優秀建築選2017」にも選出され、メディアにも出演された、地元長野の匠でもある、甘利享一建築設計舎主催、一級建築士の甘利享一氏です。正樹様が畑一つから葡萄栽培始め、今日のワイナリー設立に至る経緯を踏まえて、農家の象徴でもあるグリーンハウス(温室・ビニールハウス)をモデルとしており、柔らかな曲線を描く屋根が印象的です。

建屋の設計は地元長野の匠『甘利享一氏』が担当

1階部分は醸造所、2階には食事ができるカフェが併設されており、建屋周辺の素晴らしい景観を楽しんでもらえるようにと、壁を減らしテラスも設置されています。みまき大池の遊歩道からのアプローチがあり、そのままカフェにアクセスが可能。窓からは西にみまき大池、北東には浅間山などの山々が広がり、南東には千曲川、南には手前に葡萄畑、奥には八ヶ岳を一望できる上、2階の室内からは1階の醸造所を覗ける吹き抜けの造りも特徴的です。

関連リンク:甘利享一建築設計舎

建築設計のアドバイスや醸造機械の選定はマザーバインズにて担当

1階部分の醸造所設計にもこだわりが詰まっています。弊社の母体である有限会社マザーバインズの醸造設備担当者とエンジニアがアドバイスをさせていただきました。醸造時や仕込み期間の醸造機器の稼動、清掃など、機器や人の導線を考慮し、醸造所内には柱が一本もありません。また、背の高いタンクの上に乗り、パンチングダウンなどの果房管理をする際にも、天井に当たらない高さを計算して設計されており、作業のしやすさを重視した造りとなっております。

柱のない醸造スペースに可動式のキャスターが付いた醸造機器が並ぶ

また、新規ワイナリーを設立する上で、使用する機械の選定は入念に行いました。初年度のみならず、3、5、10年後の植栽計画まで考慮し、それに基づき、各葡萄品種の予定収穫量と、どのようなワインスタイルにするかなど、長期的なビジョンを想定した機器選定を行いました。

赤白兼用の開放型タンクとリンゴ用破砕機、ポンプなどが並ぶ

今後、2種類以上の混醸(ブレンド)を計画したり、予期せぬ天候不良や病害による収穫減などを想定し、すべてのタンクを赤・白の兼用タンクに変更、上部の蓋が落し蓋式の開放型タンクを採用し、少量仕込みでも、タンク内の空寸を最小に調整でき、酸化を抑制することが可能になっています。開放型タンクであるため、醸造時期に訪問した際、タイミングが合えば、2階の吹き抜けからタンクの中の発酵中の葡萄が見れるかもしれません。

2階カフェのフロアの一部の吹き抜けから1階の醸造所が覗けます

醸造機器は一部のタンクを除き、キャスターを装着した可動式で、重ねられる樹脂タンクなど、ワイナリーのスペースを有効活用できるよう工夫されています。2023年から発売となるスパークリングワインと、地元のリンゴを使ったシードル用に、スパークリング設備一式に加え、リンゴ破砕機や瓶内二次発酵用のピピュトル(瓶台)なども採用されました。

最後に

「是非、この最高のロケーションを見にワイナリーに来てください!」と語るお二人の言う通り、このロケーションを活かしたサウナやキャンプイベント、星空を眺めながらのディナー会など、今後も体験型イベントが目白押しのワイナリーから目が離せません。

富岡正樹様(左)と隼人様(右)親子の葡萄畑の前での2ショット

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