【イベントのご報告】シロッコ×和音人(わいんびと)~ワインペアリングディナー@長野市

いつもお世話になっております。マザーバインズの丹羽(にわ)です。

2024年3月10日(日)に長野県長野市にあります、『ピザ&ワイン酒場シロッコ』様で行われた『シロッコ×和音人 ワインペアリングディナー』に数多くの方々にご来場いただき、盛会のうちに終了することができました。まずはイベント御参加の皆様に感謝申し上げます。

当日、イベント開催メンバーと一緒に撮った集合写真

そして、会場と当日のお料理の提供や、関係各社へのお声がけいただきました、ピザ&ワイン酒場「シロッコ」の林俊帆様、林海地様をはじめスタッフの皆様、ペアリング企画をプロデュースしてくださいました、株式会社和音人の狩野様、斎藤様にも重ねて御礼申し上げます。

ピザ&ワイン酒場シロッコと和音人について

今回のイベントの会場になりました『ピザ&ワイン酒場シロッコ』は、長野駅から徒歩3分、ピザ窯を使った本格ピザや国内外のセレクトされたワインが気軽に楽しめる飲食店様です。

関連記事:【2024/3/10開催】シロッコ×和音人(わいんびと)の合同イベント!ワインペアリングディナー@長野市 

シロッコの皆様(左から水井店長、込山シェフ、林海地さん、林俊帆さん)

株式会社和音人について

下記記事にて、株式会社和音人と、今回使用したワイン「Mr.Pairngプロジェクト」をご紹介しています。

関連記事:Mr.Pairingプロジェクト~株式会社和音人とのパートナーシップ提携の経緯や活動内容について

株式会社和音人の皆様(左から狩野さんの奥様、狩野さん、斎藤さん)

代表取締役の狩野様は、食の大切さを伝えるべく、全国で外食産業の経営や未来に関する講演会や若手経営者の勉強会の開催、飲食店のプロデュース・コンサルティングなども行なっております。

関連リンク:株式会社 和音人 

お料理とワインのペアリングその①

今回のイベントでは、長野県産食材を使ったお料理6品に合わせて、ペアリング用のグラスワインを計6種類ご用意しました。先付けは、信州産のキノコ(やまぶし茸、ジャンボ平茸、高原まいたけ、野生種エノキ)4種類を使ったスープです。

信州キノコのスープと、それに合わせた雪桜ロゼスパークリング

シンプルな素材の旨味に対し、ロゼスパークリングの酸による「ハイライト(強調)」の効果を狙いました。淡い味わいの料理に対して、酸がそれらの特徴を際立たせてくれるんです。これらは複雑な料理やワインでは狙えない効果なんです!

合わせたワインは昨年マザーバインズ長野醸造所にて、委託醸造を行った「ロゼスパークリング雪桜」です。色合いも鮮やかな桜色が特徴的で、イチゴやモモを想わせるフルーティーな香りが楽しめるスパークリングワインです。

和音人さんの「雪桜ロゼスパークリングワイン」

狩野さんは食材が持つ「芳香性化合物」にも注目しており、それらの香りがペアリングの基礎の1つになっていると伺いました。今回はどのような組み合わせで考えられたのでしょうか。

こちらの料理に使われているキノコや玉葱には、共に「ジメチルスルフィド」や「ベンズアルデヒド」という共通の芳香性化合物を持っているため、それらの同調効果を狙いました。

お料理とワインのペアリングその➁

こちらは信州サーモンのタルタル-雪解けのサラダ仕立て-です。北八ヶ岳の大石川の清冽(せいれつ)な水で育てられ、出荷時に血抜き神経〆を行う、八千穂漁業さんの信州サーモンを使用しています。

信州サーモンのタルタルとMr.Pairngのソーヴィニョン・ブラン バレルエイジド

こちらのペアリングについて教えてください。今回使用されたソーヴィニョン・ブランの樽熟成ですが、一般的には料理との合わせ方が難しいと言われますが…

ソーヴィニョン・ブランの特徴的な「チオール香」と言われるグリーンアロマと、タルタルに使われる味噌で仕込んだ旬のふきのとうや赤軸水菜、レッドチコリリーフやルッコラなどのハーブの青い香りを合わせました。

また、サーモンの脂肪分やオリーブオイルやマリネによる塩味に対し、シャープな酸による「カット(清新)」。リコッタチーズのニュアンスに、MLF(マロラクティック醗酵)と古樽の香りが生み出す、ワインとの風味の「ハイライト(強調)」を意識した組み合わせとなっています。

ワインづくりに一から携わった狩野さんだからこそできる、ワインを理解した上での組み合わせですね。

お料理とワインのペアリングその③

続いて、こちらは信州福味鶏のガランティーヌ-白味噌とはっさくのソース-です。ガランティーヌとは、鶏肉や魚肉等の骨を除いて詰め物をするフランスの冷製料理です。今回は長野県産の信州福味鶏の正肉と挽肉を分け、丸山味噌醤油醸造店の二年熟成の白味噌と信州の在来品種「高嶺芋」、はっさくやさつまいものシルクスイートを合わせて仕込みました。

信州福味鶏の「ガランティーヌ」と、それに合わせたMr.Pairngのシャルドネ醸し バレルエイジド

こちらの料理も大変好評でしたね。人気だったために、ペアリングディナー後にも定番メニューとしてお店でも引き続き提供されていると聞きました。
こちらのシャルドネですが、弊社との共同企画「Mr.Pairngプロジェクト」の第一段商品でしたね!

はい。国内でも数々の受賞歴を持つ、高山村産シャルドネのポテンシャルの高さには昔から注目しておりましたので、お声がけ頂けて嬉しかったです!

今回は醸し(オレンジワイン仕込み)を行うことで、肉やチーズに合わせられるボリューム感に仕上げました。国内でもこういったメインの肉料理にも負けない白ワインが増えてくれれば、という想いも込めました。

葡萄の搾汁後に樽とステンレスタンクに果汁を分けて前者は樽醗酵、後者は48時間以上の醸しと低温発酵を行うことで、エステル系の香りに加え新樽によるヴァニリン(バニラ)の香りをまとったボリューム感のあるワインに仕上がっていますね。料理とのペアリングについても教えてください。

鶏肉が持つ芳香性化合物の「ウンデカン」とはっさくのシトラス系の香り「リモネン」が非常に相性が良いんです。

ワインの樽香+MLFのバター香とクリームによる「ハイライト(強調)」、ワインの持つMMP(メルカプト-4メチル-2ペンタノン)、はっさくの香りの「ハーモナイズ(調和)」、品種由来の苦味と味噌の甘味による「カウンターバランス(中和)」など、様々な芳香性化合物が絡み合うマリアージュを目指しました。

狩野さんによるペアリング解説を聞きながら食事を楽しむ参加者の皆さん

最後に

全てのワインと料理をご紹介できないのが残念ですが、ペアリングディナーでは同じ村内にある信州たかやまワイナリー様や、同県にある安曇野ワイナリー様のワインも提供いたしました。

左から和音人(雪桜ロゼスパークリング、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン)信州たかやまワイナリーのピノノワール、安曇野ワイナリー(シャトー安曇野メルロー、紅玉デザート)

関連リンク:安曇野ワイナリー / 信州たかやまワイナリー

長野県内では2024年現在、80以上のワイナリーが設立され盛り上がりを見せていますが、同時にそれだけ多くのワイナリー&ワインがあるにも関わらず、県内での消費や知名度が思ったように上がらないという悩みも抱えていることがわかりました。

今回は同じ市内の飲食店様にご参加いただき、こだわりの食材や生産者の想い、料理人としての技、そして最先端の科学が混ざりあったペアリングディナーを体験してもらうことで日本ワインの魅力と「なぜ日本ワインを選ぶのか」をという部分を知ってもらうことが開催の目的でもありました。

弊社は豊かな食文化が楽しめる日本でも、もっと身近にワインを楽しんでもらいたいと考え日本ワインを盛り上げるべく、イベントや企画などを積極的に開催してゆく所存です。今後ともどうぞよろしくお願い致します。